独自の遺伝子探索技術が、世界の課題解決を促進する

チーム名
株式会社ノベルジェン
代表者
小倉 淳 [代表取締役CEO]
参加
第2回滋賀テックプラングランプリ
受賞
関西アーバン銀行賞 / 特別賞

バイオ接着剤の実用化を目指すチーム「The BioGlue」として、滋賀テックプラングランプリ2017 で、関西アーバン銀行 (現:関西みらい銀行) 賞、特別賞を受賞した、長浜バイオ大学の小倉氏。さらに同年9月のマリンテックグランプリでもDNP賞を受賞した。生物由来の接着物質探索に利用した独自の遺伝子探索技術を武器に様々な機能遺伝子産物の社会における利用を目指して、2019年10月に株式会社ノベルジェンとしてスタートを切った。

コアとなる遺伝子探索技術

 配列の似た遺伝子配列から作られる酵素は、類似の機能を持つことが多い。その傾向を利用することで、特定の機能に関わる遺伝子の探索を、従来の20万倍の速度、1/30のコストで実現する。それがノベルジェンのコア技術だ。これにより、生体サンプルや環境中サンプルから有用遺伝子の相同遺伝子を効率的に探索することができ、新規有用遺伝子ライブラリの構築が可能となる。その適用範囲は、医薬品業界、工業界、食品業界など幅広く、特に、ABS 指針※1の国際合意の広がりで、他国領土での遺伝子資源採取に制限がある中で、従来技術と比較して大量かつ安価に探索できる本技術の海洋での応用に眠る大きな可能性は疑う余地がない。

法人化により、社会実装を加速させる

 2019年12月には海洋プラスチックごみ分解に寄与する遺伝子・微生物の探索へ期待から、日本財団と株式会社リバネス、一般社団法人日本先端科学技術教育人材研究開発機構(JASTO)が主催する海ごみ削減プロジェクト「IKKAKU」において、3年間で1.5億円という大型予算を獲得。また、2020年2月には「関西みらい共同研究助成金」にも採択されるなど、多方面から注目が集まっている。「法人化したのは、探索された遺伝子からの事業創出事例を加速させるためです。特に、バイオ接着剤については自社で事業化を実現を目指したい」と凛とした口調で語る。医療用の接着剤は、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)の認証が必要であり、臨床試験などを重ねると5年から10年の開発期間と数十億円の費用がかかる。それを承知で、「遺伝子探索技術の実用例を自ら示したい」と自社事業としての推進を目指している。

地域企業としての動きも始まった

 ある調査では、琵琶湖のマイクロプラスチック密度は、日本近海の2.7倍とも報告されている。すでに、滋賀県内の水処理施設を管理運営する企業と微細藻類を用いたマイクロプラスチック分解についての実証実験を開始する事が決まっている。「滋賀テックプランターへ参加したことが、その後のマリンテックグランプリでの受賞、NEDO Entrepreneurs Program(NEP)への採択、そして法人化へと繋がっています」。起業したことで、獲得できる研究費の種類が増えただけでなく、具体的な社会課題や共同研究の声も増えてきたという。「今後は経営に詳しい仲間も募集しながら、着実に事業を育てたい」。 滋賀発の世界を変えるバイオベンチャーとして今後の活躍に注目したい。 ※1 Access and Benefit Sharing:遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針

滋賀テックプランター vol.04 (2020年4月 発刊)

藻類を使った生物学的プラスチック処理方法の開発と実証実験の開始についての記者会見